年に一度は訪れるという南仏の風景画は、特有の太陽の光を受けた建物や、窓や緑が在り、その合間からはまっ青な空がのぞく。その空気は乾いている。日本の山や海のある風景にはその湿度も描かれ、四季の象徴物が画面上に無くても季節感が伝わってくる。
山田精一の絵画の特徴は、対象を捉えるとき面として塗りこむことをぜず、色を分解し、彩度のある点で置いてゆくという手法であるが、「点描」の精密な感じとはニュアンスの違う、ラフな、力の抜けた印象がある。それは点の単位を筆の一塗り(brush point)の単位にとどめているせいもあるだろう。
光と影を、色を混ぜない彩やかさを保ったまま画面におきかえていくにはよほどの観察力やそれに裏打ちされた構成力を要するであろうが、単なる技巧にはしらず、描き込みすぎないところで筆を止めている。観る者はそこに安心し、絵の中の風景に自然と入ってゆくことが出来るのだ。
山田精一の絵には空気が描かれている。
その絵の中の、風景の前で、普段鑑賞するよりすこし多めに距離をとり、一点に集中しないようぼんやりと全体をながめてみる。南仏の乾いた風や、石だたみのひんやりとした感触が伝わってくるのは、その現場でカンバスを立て、油絵の具を広げているせいも充分にあるのだろう。
気負いなく、描きたいものに真っすぐ向かっている気持ちのよい作品である。
1950年 群馬県前橋市生まれ 法政大学卒業
1973年 個展 ルナミ画廊(銀座)
1976年 個展 室町ギャラリー(日本橋)
1977年 個展 室町ギャラリー(日本橋)
1978年 一期会展「八木橋」賞受賞、一期会会員推挙
1983年 一期会展「埼玉県議会議長賞」受賞
    個展 室町ギャラリー(日本橋)
1984年 一期会展「日本青年館賞」受賞
1985年 個展(上福岡市)・一期会展「埼玉県知事賞」受賞
1988年 個展  アズ(熊谷)
1989年 一期会展「名誉顧問(福田赳夫)賞」受賞
1992年 一期会展「文部大臣奨励賞」受賞
    個展 八木橋デパート(熊谷)
1995年 個展  アズ(熊谷)
1996年 個展 交通会館ゴールドサロン(有楽町)
1997年〜1999年毎年 個展  アズ(熊谷)
2002年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館(銀座)
2003年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館(銀座)
2005年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館(銀座)
2007年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館(銀座)

現 在 一期会理事